菓子

茶道では、お茶の味を引き立たせてくれる菓子は欠かせないものです。正式には、濃茶には主菓子、薄茶には干菓子というのが基本です。あくまでも基本であり、現在では薄茶に主菓子や干菓子を組み合わせて出されたりもします。季節感のあるきれいな菓子は、茶席を引き立ててくれるものでもあります。

茶道の菓子

茶事や茶会で出される菓子は、四季を感じさせる味わいのあるもので、お茶の味を引き立ててくれるものです。客人をもてなす側が菓子の食べ頃を考えて手作りし、お茶と共にお出しするのが本来の姿です。

菓子の風味が落ちないうちに、寒い時期には温かいものを、暑い時期には冷たく冷やしてもてなすこともできます。

菓子の種類

菓子全体を見ると、数え切れないほどの種類が存在しますが、茶道において菓子は主菓子(おもがし)と干菓子の2つに大きく分けられています。

主菓子

主菓子は饅頭や餅菓子、羊羹、金団、練切などの、ボリュームのあるお菓子が使われます。自然や四季折々のものをイメージして作られているものを使い、1月だと新年にふさわしいおめでたい菓子、2月は一足早い春を喜ぶ梅にちなんだものなどが使われます。

菓子にはそれぞれ情緒ある銘がついていて、季節感を盛り上げてくれます。

干菓子

干菓子は、落雁や有平糖、金平糖、煎餅などの菓子です。

主菓子同様、四季に関する自然を模ったものが多く、目でも客人を楽しませてくれます。

菓子器

主菓子、干菓子で使われる菓子器の種類が違います。主菓子は陶器や塗りの深めの器、干菓子は籠や塗りの皿などの平らな菓子器が使われています。

主菓子の菓子器

主菓子で使われる菓子器には、朱塗りで縁が金色になっている、蓋付きの『菓子椀』が最も正式な菓子器として使われます。

その他にも、『縁高』といって、縁を高くした盆で、5つ重ねにして総蓋がそうものです。『銘々盆』は、一つの盆に主菓子を盛り、客人にすすめる盆です。『食籠』は主に漆塗りですが、陶磁器や籠地の蓋付きの菓子器です。『盛込鉢』は、1つの鉢に客の人数分の主菓子を盛り合わせて勧める鉢になります。

干菓子の菓子器

干菓子に使われる菓子器にもいくつか種類があります。

まず『高杯(たかつき)』ですが、これは脚のついた杯や盤、折敷のたぐいです。『青貝盆』は貝殻を漆器の地肌にはめ込んで模様を描いて装飾されている盆です。『独楽盆(こまぼん)』は丸盆で、色漆を木地に塗ったもので、環状の模様が表されています。『振り出し』は茶箱でお茶を点てるときに用いられる小さな菓子器で、小粒の金平糖のような菓子を入れ、振り出して使います。

茶道に向いている菓子

茶道に向いている菓子は、お茶の風味を引き立たせてくれる菓子ですので、菓子の風味にも重点をおきます。バターやチーズ、油を使った菓子は茶道には向きません。なぜなら、菓子は時間がたつと味が変化します。

茶道に使う菓子は、使われている材料の良さと菓子の新鮮さが求められます。こうした菓子を使うことで、舌に感じる味に重点をおくことができます。

シンプルで自然体な菓子が求められると言うことです。

菓子を選ぶときのポイントは、香りが強すぎず、ほんのりと香る程度で、口に入れた時にとろける感触のあるもの、見た目に美しく、色と形のきれいなもの、季節感を感じることができるものなどを頭に入れて選ぶといいでしょう。

この他にも、鮮度にも気を配りましょう。干菓子はそうでもありませんが、主菓子は鮮度もさることながら、味が変化するのも早いので、菓子でもてなす時間を計算して用意する必要があります。